HNN <ハリネズミねっとわーく>

2008年03月18日

どれだけ早く外国語をマスター出来るか?(後編)

我々のゴールは「完璧な言語能力native-like」ではなく、「分かりやすさintelligibility」と前回述べました。


さあこの”intelligibility”を目標にするということは、何から何まで全て覚える必要もなくなった訳でもある訳です。「効率的なコミュニケーション」を手にするには何が一番大事か、何を覚えていかねばならないか、これを言語学の実験によって「優先順位」を決めていくことが大切なわけです。


こうした事情を踏まえて、仮に日本人が英語を最短スピードで習得するケースを考えて見ましょう。


「効率的なコミュニケーション」を考える上で、何が一番今の日本人にとって難しいのでしょうか?どのルールを重点的に覚えていかなければならないでしょうか?


これは私自身の研究テーマでもあるんですが、「発音」だと考えています。


第一に、第二言語を話す上で、いくら文法や単語が完璧でも、発音がまずいとメッセージはうまく伝わらないことが実験で証明されています(Varonis & Gass, 1982)。それだけ発音の優先順位は高い、ということです。


第二に、日本語と英語の音声のギャップは非常に大きいということです (Ohata, 2004)。また音声は自分の第一言語に大きく影響されますので、日本人が英語を話すときには、特に不利を受けることになる訳です。


また一番大事なのは、発音は正しい教育を受ければ直る、ということです。つまり、まず一番大事な領域である、「発音」について特にきっちりルールを覚えること。これを覚えずにやみくもにコミュニケーションに走った場合、最新の音声学の研究では、日本人の話す英語はとりわけアメリカ人や他の留学生にも聞き取りづらい傾向があり、非常に厳しい状況になると考えられます(Munro & Derwing, 2006)。


ここからは私の観察からくる意見であるのですが、日本人は特に発音が悪いため、英語でのコミュニケーションがいつも止まってしまう、ということです。したがっていくら単語や文法を覚えていても、そもそも実践出来る場所がなくなってしまう。結果、英語でコミュニケーションをとることが非常に難解となり、敬遠してしまい、いつまでたっても英語を話すことが出来ない。多くの英語学習者を見て、また自分自身の英語学習を考えても、そんな悪循環に日本人は非常に陥りやすい気がします。


まず発音プロジェクトを通して、発音における最低限のルールを学ぶ。そしてしっかりとコミュニケーションをメインに覚えた文法、単語を実践の場で使ってみる。今の日本では、低価格な英会話学校もさることながら、インターネット上でいくらでも英語を話す機会はあります。日本にいながらして、世界中のひとたちと英語でつながることが出来ます。(Skypeやネットゲームを使った英語学習は別のコラムにて掲載いたします。)


以下が当サイトが推奨する最も効率的、そして効果的な英語学習方法であると考えます。


日本人の英語学習モデル


1.最低限の発音ルールを覚え、発音を直す。(発音向上プロジェクトの教材をご利用ください)


2.同時に単語、文法知識を増やす。(コミュニケーションを意識して覚える)


3.英語を実践して使う
―アメリカなどに留学する
―英会話学校に通う
―Skypeやネットゲームを使う


4.コミュニケーションを通して、自分に足りない箇所を発見する、そしてそれをしっかりとインプットする(高レベルな発音、単語力、文法力など)。


英語を使うことは、本当にあなたの人生を変えます。新しい可能性の扉なのです。そしてしっかりと目標を持てば、誰にでも楽しめるものなのです。一緒に頑張りましょう。


参考文献
Ohata, K. (2004). Phonological differences between Japanese and English: Several potentially problematic areas of pronunciation for Japanese ESL/EFL learners. Asian EFL Journal [On?line], 6(4). Available

Munro, M., Derwing, T., & Morton, S. (2006) The mutual intelligibility of L2 speech, Studies in Second Language Acquisition, 28, 111?131.


Varonis, E., & Gass, S. (1982) The comprehensibility of non?native speech, Studies in Second Language Acquisition, 4, 114?136.


担当者
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斉藤一弥

 
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