2008年03月25日
【心地よい暮らしのバランス】3月25日
artist file "tanebito" #14 [1/3] 野見山 文宏 さん(生理解剖学講師・鍼灸師 / Unplug-lab Japan)
[プロフィール]
1966年、神戸市生まれ。
某大手銀行に就職後、全国トップセールスに輝くほどに都会でのサラリーマン生活を極めるが、1998年、過労で倒れたことを機に「生きること・働くこと」の意味を考え、退職。東洋医学を学ぶべく鍼灸師へ転身。地球環境や有機農業などを含め大いに学ぶ。
2001年、ホリスティックな治療を学ぶべく、伊豆/安らぎの里へ夫婦で就職。治療と同時に、ヨガ・食養生・呼吸法などの指導を担当。
2005年、「unplug」によって人は変わることをつたえたくて独立。塩見直紀氏の「半農半Xという生き方」に大いに感銘を受け、自然農の畑で食糧を自給しつつ、後の半分は魂の輝く仕事をしようと「里山リトリート」をスタート。
2006年、「日本一わかる!生理解剖学講座」を全国で開催。自然やカラダの素晴らしさを伝える。
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◆ 理性的な部分を否定したり「もっと自由に振る舞わなくちゃ」と思うことこそが、理性的なマインドの働きであるんですね。
僕はどちらかと言うと「アタマ人間」、理性的と言うんでしょうか。学生の頃はそうでもなかったんですけど、会社に入ってから徹底的に「理性人間」になったように思うんですよね。例えば、奔放に自由に振る舞っているような人を見ると、引け目を感じたりしたんです。ネコのように無邪気に振る舞っている人を見ると、僕はそこでどうしても頭で考えてしまったりクールな部分があったりした。それで、そういう理性的な部分を否定しようとしていた訳です。
でも、そうじゃないだと気づいたんです。理性的な部分を否定したり「もっと自由に振る舞わなくちゃ」と思うことこそが、理性的なマインドの働きであるんですね。尚かつ、理性やマインドの働きは必要なことだったんだ、と。それがあるからこそ、社会でもいろいろなことを成し得たし、実際にいろいろなことを得ることが出来た。それを否定するなんて、もし自分がマインドの立場だったら「これだけ頑張って来たのに、何で否定されなくちゃいけないの?」って。(笑)
今までマインドのことを否定して蔑んで「あっち行け!」と思っていたけど、今は「ありがとう」という気持ちになりました。(笑) サーフィンもよく似ています。波に委ねているだけじゃ何処に行くか分からなくなります。そこで、中心を持って、方向性を体で示してあげることがすごく大事です。
___野見山さんは「バランス」についてポリシーに掲げてらっしゃいます。現代医学に対して東洋医学、貨幣経済に対して自給自足、都会生活に対して田舎暮らし、左脳と右脳、現実世界とスピリチュアル。
当たり前ですけど「どっちも大事だよね」という話です。例えば、最近はスピリチュアリズムで「天使はこう言ってるから、、」とか「神のお告げがあって、、」と言ってフワフワと行く気持ちも分かるけど、それだけじゃない意思決定の仕方もあるでしょ。地に足を着けつつ天を仰ぐ、みたいな。そんな生き方をしたいな、と思うんです。「田舎暮らし」もしくは「スローライフ」ということも、退職金で悠々自適で田舎でバンダナ巻いて蕎麦打ちして、ということで良いんですが、それだけだと錆び付いちゃう、と言うと失礼ですが、刺激がもの足りない。でも、都会にずっと居続けるのも疲れちゃったり、いろいろな問題がある。そして、環境問題やいろいろを考えると、その中間が丁度良いということになる。楽しいし、一番可能性があるような気がしますね。まさに「アライブ/alive」。臨界点こそアライブ、生きている、躍動感ある暮らし。
田舎で静かに引っ込んでいるのも良いし、都会でグーッと頑張るのも良い。だけど、都会へ行くと燃え尽きちゃう、田舎へ行くと静まり返っちゃう。その臨界点こそが、カオスの淵。(笑)そんな感じだと思っています。
◆ 僕の中のキーワードは「バランス」なんです。多分、6:4〜8:2くらいが心地良いのかな。困った時に2割は助けてもらえるような緩やかさが、ちょうど僕らの生き方として合っているような気がします。
___その臨界点を見つけるためには、座標軸としての両端を自分なりに知る必要がありそうですね?
そう思います。都会生活もとことんやってみて、田舎の生活もやってみて、ちょうど今、そのバランスが取れている気がします。
___両端を体験する冒険が、人生では必要だということでしょうか?
そう思います。都会生活もとことんやってみて、田舎の生活もやってみて、ちょうど今、そのバランスが取れている気がします。
___両端を体験する冒険が、人生では必要だということでしょうか?
時として、そういう力は必要でしょうか。(笑)サーフィンなんか、そうじゃないですか?昔は本当に無茶してました。初心者でようやく立てるか立てないかの時に、「台風の時に行くのがサーファーだぜ!」という感じで行って、それでボロボロになってましたからね。今は絶対そんなこと出来ないですけど、時としてそういう体験は必要ですよね。
だから、両方を経験してみると面白いかも知れませんね。最初から心地良く落ち着いちゃうと勿体ない。本当の心地良さが分からないような気がします。都会でガーッと働く経験も必要だろうし、田舎でノンビリも必要だろうし。何が心地良いのかな、と最近はよく考えます。
___その「心地良さ」も、人それぞれのバランスなんでしょうね。
だと思います。だから、僕の中のキーワードは「バランス」なんですよね。食糧自給もそうですが、全部を自給と言うと凄くストイックで硬くなる感じがするし、全部をスーパーに委ねるというのもどうかと思う。エネルギーも出来るだけ自給したいと思っているし、医療の自給も、要は自分で治せるようなことをしていきたい。それもバランスです。時として頼ることも必要です。
多分、6:4〜8:2くらいが心地良いのかな。出来るだけ、6割から8割は自分で何とか出来る自信があって、困った時にあと2割は助けてもらえるような、それくらいの緩やかさが、ちょうど僕らの生き方として合っているような気がします。
___見ていて憧れるようなライフスタイルでも、自分にとって心地良いバランスとは限りません。
全然違いますね。だから、昔はその座標軸が他人の生き方の座標軸で、「こういう生き方をしたらカッコ良い、尊敬される」というような形で生きていましたけど、最近はそこが定まって来た気がします。
◆ 僕は病気になったが故に、手を放す勇気というか、後押しをしてくれたんです。
___リチャード・バックの『イリュージョン』が愛読書だそうですね。主人公が、曲芸飛行士を辞めて救世主の修行をするという話です。救世主を辞めた男に弟子入りをする。
そうですよね。怖いもんね、誰しも。(笑)僕は病気になったが故に、手を放す勇気というか、後押しをしてくれたんです。病気にならなければ手を放せていなかったかも知れませんね。中途半端に風邪ひいたくらいだったら、しがみついて「コレが良い」と思っていたかもしれないですね。(笑)
___手を放すことを後押しするのも、川の底にしがみつくのを促すのも、どちらも「流れ」なのかも知れませんね。
そうですね。たまたま僕には、今の流れが心地よい流れだったんでしょうね。(つづく)
(取材構成/milkyshadows)
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