2008年03月29日
君が代を歌わない若者と愛国強制要綱 3月29日
今週流れた二つのニュースがあります。
ひとつは大阪府門真市の同市立第三中学校の卒業式の国歌斉 唱で、男子生徒一人を除く全員(169人)が、卒業式の国歌斉唱 時に、起立と斉唱をしなかったというニュース。
もうひとつは、文部省が発表した新しい小中学校の指導要領。総 則に「我が国と郷土を愛し」と入ったり、君が代を歌えるように指導 するとなったり、道徳で愛国心を植えつけることが決まったこと。
偶然なのかどうかはわかりませんが、原因と結果のような二つの 出来事です。ただ、両方共に問題点があるでしょう。
まず大阪の不起立についてですが、メディアの伝え方がおかしいで す。これは君が代斉唱−愛国心ー反対不起立という単純な問題で はありません。
確かに中学生が自ら君が代斉唱を歌うのを辞めた可能性もありま す。もともと歌の内容問わず、中学生くらいの年代は、みんなで合唱 したりするのが恥ずかしい年頃かもしれません。しかし、学年全体で それを行うと言うのは、生徒達だけの力では難しいでしょう。
となると、やはり教師達の力が考えられます。それも校長らが式中 驚いていることから、学校全体の決定でなく、何人かの教師が行っ たことになります。とすれば、これは愛国心云々を言う前に、学校の いち行事のいち項目を、学校の決定とは別に無断で変更して、ばれ ないように生徒達に周知し、実行したことについてとしてまず考える べきですよね。
そう考えれば教師達のやったことは間違いです。式が始まるまで、 君が代を歌うことになっていたのですから、そこは歌わないといけな いでしょう。生徒達が恥ずかしがったり、面倒からと声を出さないのは 別としても、教師達が立たないように指導するのは明らかに間違いで す。これでは非愛国心の強制になってしまいます。
君が代を歌いたくないのであれば、クラスごとにアンケートでも取るなり、 職員会議できちんと君が代を歌わないことを決めて、その上で式の項 目から削除すればいいだけの話です。それを阻止する勢力があるなら、 そこではじめてそれが問題になるんです。
次に文部省の新指導要領。これも問題です。前回の指導要領の時も 散々いわれたことですが、愛国心と言うのは強制されるものではあり ません。自分の生まれた国が好きになるかどうかは、個人の自由です し、環境によるところがあるでしょう。少なくとも誰かから好きになるよ うに強制されたり、今回の指導要領のように、好きになるように扇動、 洗脳するものでもありません。個々の自由であり、自然に任せるしか 無いのです。
中国国民の多くは愛国心がありません。また、イラクでも生まれた地を 嫌って25%の国民が他国へ行きたがっています。理由は政府や経済 の在り方に不満があったり、戦争などで安心した暮らしが出来ないから です。生まれた国が好きになるとは限らないのです。
日本はどうでしょうか。確かに日本は先進国で、世界に誇るべき文化 もたくさんあります。しかしその反面、支配者層によって利潤が独占 され、国民に還元されないシステムの確立。無条件で50兆円もの税 金をアメリカへ渡し続けなればいけない定め。総GDPとは対象に、個 人あたりのGDPの低さ。福祉や社会保障の薄さ。役人による税金の 使い込みが当たり前に行われている現状。世界一長い労働時間。 世界一の自殺率。これだけ揃っているのですから、嫌いになる人が 多少いても仕方ないのではないでしょうか。これで国民全員がこの国 が好きと言えるようでは、逆に問題でしょう。
日本人は高い文明を解釈し、情報の取捨選択が出来ます。今の日本 の行政が国民に向いているとはなかなか判断してくれないでしょう。 国民に愛国心を自然と持ってもらう道を早々に放棄し、持たぬなら持 たせてしまえ愛国心、というのはあまりにも乱暴です。
愛国心は誰かに強制されるものでも、誰かに捨てさせられるものでも ありません。どっちの側も極端過ぎます。
日本が過去に過ちを犯してしまったのは事実ですが、それをいつまで も引きずっていても仕方ありませんし、そういう歴史があったとして受 け止め、21世紀の現在に生きていくしかないのです。いえ、多くの国 民はそれが既に出来ていると思います。
道徳や社会の時間に愛国心を植えつけるとか、生徒達に君が代を歌 わないように指導するとか、一部の人が気にし過ぎなんです。 君が代を歌うか否かを愛国心の有無で捉えている一般人が果たして 何人いるでしょうか。
国が強引な愛国心刷り込みをしなければ、君が代反対派みたいな人も 思い切った行動に出ないでしょうし、民主主義に任せたらいいのでは ないでしょうか。君が代があまり格好良くないと思う人が増えたなら、新 しい国歌を作って歌えば良いですし、国旗だってもし不人気なら、変える ことだって出来ます。変えたほうが良いというのではなく、それを話し合 うことが出来るのが民主主義だということです。政府が役人に手を回し て勝手に決めること自体、国民の愛国心を著しく損なう原因だと、いい 加減気づかないのでしょうか。
坂上慶喜さんからご投稿いただきました
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