2008年04月01日
サムライ社会学 四之太刀 中国擁護の本音とは
北京五輪が近づいてきましたね。代表選手も次々と決定 していますし、私が一番注目しているサッカーについても、 順当に強豪国が出揃い、運が良ければ日本が優勝候補 のイタリアと戦うこともあり得る状況ですから、これはワク ワクしない訳にはいきません。
幸い、北京と日本はほとんど時差がありません。アジア以 外で行われる場合だと、放送が深夜だったり、早朝だったり で、リアルタイムで観戦出来ず、五輪の楽しみが半減なので、 アジアで開かれる五輪は本当に嬉しいです。
応援に行く人なども、旅費が安くつくので幸運かもしれませ んね。私のサッカーファンの友人は、この日の為に有給休 暇を溜めていて、盆も正月もあまり休みを取らず、溜めすぎ て4日ほど消滅してしまったそうです。現在の日本経済のデ モンストレーションを身を持って体現してしまうとは恐れ入 りますね。
ところが、ご存知の通り北京五輪は開催が危ぶまれてい ます。五輪委員会の準備の遅れもそうですし、国際IOCが 指摘する深刻な大気汚染もそうなんですが、何と言っても チベット民族への中国政府の弾圧疑惑ですね。EU圏がこ れに猛反発しています。 「人命が不当に失われているかもしれないのに、五輪どこ ろではない」 正論です。
幸い、EU圏が宣言しているのは、五輪自体のボイコットでは なく、開会式に限定した出席拒否の様ですし、努力をしてき た選手達が活躍の場を失うことはないようです。また、中国 政府も、まだまだ不十分ですが、チベットへの取材を許可す るなど、改善の動きも見られてきました。 僧侶が泣きながら無実を訴えたり、中国政府が僧侶に扮し て、暴動を演出をしていたなど、とんでもない情報も交錯して いますが、真実が明らかになる目も多少は出てきましたね。
はじめはネットだけで伝えられていたこの事件ですが、世論 の反応も大きいことで、メディアでも伝えられるようになり、 中国を正常な方向へ動かせた一役を担っていると言っても 良いでしょう。何だかんだ言っても、テレビや新聞の力は大き いんですね。
ところが、この日本のメディアの中国報道について、どうしても 合点がいかない部分があるんです。何と言うか、表裏一体の 出来事なのに、表と裏の時事に対して、メディアのスタンスが 違うんですよ。それはこんなことです。
EUを中心に、世界情勢が北京五輪の開会式への不参加を 宣言していることについて、はじめて中国五輪委員会が口を 開きました。
チェコのヴァーツラフ・クラウス大統領、ポーランドのトゥス
ク首相が、北京五輪開会式へ出席しないことを明言したことを、
「(彼らには)招待状を送っていない」
とした上で、
「こちらが招待していない人がボイコットを言うのは筋違い」
と強硬な発言をしました。
一国の大統領や首相を捕まえて、招待もされてない癖に、 何をいきがってるの?という挑発ですね。失礼ですし、そん なことを言う国に、日本の首相も行って欲しくはないと思うの が普通じゃないでしょうか。日本に招待状がくればの話です けどね。福田さん、焦っちゃ駄目ですよ。え?ボイコットする つもりは毛頭ない、ODAを倍にしてでも招待状が欲しい? そうですか。なら結構ですが。
しかし、チベット騒動で中国を叩いている日本メディアも、こ と五輪云々に話が及ぶと、一転して中国を擁護しますね。 代表的なものが以下です。
(NIKKEIより)
出席者をだれにするかは各五輪委の判断に委ねられるとい う。同副局長の発言からは「こちらが招待していない人がボ イコットを言うのは筋違い」という中国政府の本音が読み取 れる。
散々チベット虐殺を取り上げておいて、五輪に話が移ると途 端に擁護してしまいます。なんでしょうね、これは。人間味の 無い文章と言いますか、五輪ボイコットは中国政府のチベッ トへの虐殺疑惑と深く関連していることを忘れたのでしょうか。
これにはちゃんとからくりがあります。
多分すぐに思いつくのは、五輪のスポンサー達への「思いや り」ですね。 五輪のスポンサーを見てましょう。 中国五輪委員会のサイトに、スポンサーが列挙されています ので、そこから日本企業、もしくは日本と関りの深い企業を 抽出してみました。
コカ・コーラ
アトスオリジン
ジェネラルエレクトリック
マクドナルド
ジョンソン・エンド・ジョンソン
レノボ
マニュライフ
オメガ
パナソニック
サムスン
VISA
バドワイザー
ミズノ
デサント
味の素
コナミ
クボタ
読売新聞 ← ・・・・。
ウイルコ
野村ホールディングス
佐川急便
ナショナル
エクセルヒューマン
丸大食品
キリン
トヨタ
NTTドコモ
YAHOOジャパン
JAL
ANA
ロッテ
日清オイリオ
インテリジェンス
日清食品
トーヨーライス
AIU
はるや
TBC
どうですか。蒼々たる顔ぶれです。 何が言いたいのかお分かりいただけますでしょうか。決して、 ある意味お騒がせ企業が多いだとか、日本の労働者よりア メリカ労働者を優遇する例の企業が入っているとか、政府へ の献金が多いことで知られる企業が多いとかではありません。 それは勘ぐり過ぎですよ。いや、本当に。
そうではなく、これらの企業は新聞やテレビへの広告が多い んです。メディアにとってはお得意様な訳ですね。そのお得 意様が協賛している4年に一度の大イベントを、自らの手で 潰してしまう訳にはいかないんです。だから各メディアは牽 制球を延々と投げ続けている状況なんですね。一塁ランナ ーはいませんが、それでも投げ続けます。私達には見えない 政界の大物が、一塁でリードを取っているのかもしれません。
そんな訳で、チベット虐殺について報道しても、北京五輪に ついては思い切ったストレートが投げられないんですね。 日経新聞の様に、チベット虐殺報道の直後にも、五輪必要 を後押しするとも取れる記事を書いたりするところもあるく らいですから、わかりやすいです(日経新聞は本当に優し い新聞です。道路財源の使い込みが発覚した直後に、道路の 必要性を訴えたりしてくれますから、これほど権利者を思い やってくれる新聞は無いでしょう。会社員の一部は満員電車 の中で日経新聞を広げて読んで、政治や経済、はたまたモラ ルまで語る訳ですから手に負えません)。
唯一産経新聞だけは、ランナー無視の剛速球を投げ続け ていますが、投げた後に必ず別の中国リーグの試合について も解説してくれますので、動機が不純な気もしなくもないです。 バランス論で言うと、「アリ」なんでしょうけど。
なんだそういうことか。と思ったでしょうが、ここは偽社会学な ので、もう少し局所的に突っ込みたいと思います。 そもそも今回の槍玉に挙げられたチェコの大統領のヴァーツ ラフ・クラウス氏。世界に向けて北京五輪、チベット虐殺への 警鐘を鳴らしたにも関らず、日経新聞の思いやりで見事に赤 っ恥をかかされてしまいました。日本国民はそうは思っていな い、むしろチェコ大統領に拍手を送るでしょうが、福田首相も 中国の(チベット弾圧)報道は適切ではない」と擁護してしまっ ていますから、これに日本で最も購読数の多い経済紙が五輪 擁護をした以上、日本はそういうスタンスだと見られてしまいま す。国民の意見と政府や支配層の見解は大幅にずれるのは、 仕様ですけどね。この辺は中国やアメリカと酷似していますね。
ただ、このチェコ大統領が叩かれた理由。果たしてこの五輪の 件についてだけでしょうか。
ヴァーツラフ・クラウス氏ですが、実は少し前にも話題になりま した。それは去年のバレンタインデーのことです。私のようなもう 何年も本命チョコにありつけていない男性が、無意味に女性社 員に話しかけ、命からがら義理チョコをゲットするという、何とも 空しい一日を送っている時に、チェコの最高指導者は、こんな ことを言っているのです。
『地球温暖化はひどい誤解だ。チェコは京都議定書に署名した が、悲劇的な間違いだと思っている。地球温暖化議論は科学 的言動を欠くものであって、理性に富む人は拒否すべき概念だ』
なんと日本が先頭に立って推進している京都議定書に、大々的に 批判をしたのです。それも半端な理由ではありません。拒否すべ き概念とまで言ってしまっています。
環境問題についてはまた別途に回を設けるので、今は京都議 定書についての個人的な見解は避けます。一般論としてこうい う意見もあるとして聞いてください。
京都議定書は、物凄い勢いで要訳すると、 「みんなで二酸化炭素を減らそうよ」です。 みんなにアメリカが含まれないのは、日本が提唱している限りは デフォルトです。 ただ、このCO2の削減ですが、疑問視する声も大きいんです。
・温暖化はしていない。
・CO2が温暖化の原因だということは、何ら科学的実証がない
・氷が解けたところで海水は上昇しないし、氷は逆に増えている
それでも、日本を中心に京都議定書はまるで摂理、クリアしなくて はいけない命題の様に出回っています。真偽は別として、これは科 学的根拠のないものですという但し書きもありませんよね。
これらは一部の科学者や大学教授などが提唱している理論ですが、 所詮は個人の戯言。新聞は相手にしていません。ですが、一国の 大統領が言ったとなれば話は別です。一時的とは言え、波紋が広 がりました。私はずばり、これが今回日経新聞が、チェコ大統領 を嘲笑した真の理由だ思っています。
どうして京都議定書に反対すると、日経に叩かれるのか。不思議 ですか。本当に? ではこう考えるとどうでしょう。京都議定書は、消費者にとっては エコ商品の購入や、家の改装、見合った車の購入など、とかくお金 のかかるものですが、ひとたび支配層にとってはどうでしょうか。 「地球に優しい」というだけで、売れ行きは伸び、ハイブリッド車 だということで、新しい消費のパイが生まれます。五輪を見るため に新型テレビが売れるそうですし、環境問題というだけで、ガソリ ン税再延長だって出来てしまうんです。言い方は悪いですが、地球 温暖化は打ち出の小槌なんですよね。
勿論、彼らが真に環境問題を危惧していて、「たまたま」不運なこと に二酸化炭素と温暖化の関係を狂信してしまい、「たまたま」実証が されていないことを知らずに今まで過ごしてしまい、それに向けて動 いているうちに、「たまたま」利権が生まれてしまった線もありますよ。 たまたま×3回の確率ですが無きにしもあらずです。
ですが、いずれにせよ生まれた利権はしゃぶりつくすのが支配層です。 今、京都議定書が間違っていたとする証明がされてしまってはまずい 訳ですね。ですから、チェコの大統領は脅威な訳です。彼の発言を 賞賛することは、恐ろしいことなんです。全ての環境問題利権がバブ ルのように弾けてしまいます。 それは絶対に許されません。政府と企業に思いやりのある、正義の 日経新聞がそんな大いなる悪をのさばらせておく訳がありません。 北京五輪開催。京都議定書履行。 この二つの巨大利権の泉を汚す者は、何人たりとも許すまじ。
いや、頼りになります。 いっそのこと、中国五輪委員会のコラムを載せり、南極の気温や氷 の体積を毎日リアルタイムで報道したらいかがでしょうか。京都議定 書を批判する人を叩くのも結構ですが、同時に大事な大事な京都議 定書に合意してくれないアメリカを、徹底的に糾弾しないのは何故でし ょうね。地球の為を思うなら、アメリカに協力してもらわないと、何も はじまりませんよね。
そう思うと、不安で不安で、睡眠がきちんと取れそうにありません。 過呼吸に陥って、二酸化炭素をたくさん吐いてしまいそうです。 そうしたら南極の氷が解けて、するとより一層エコ商品が売れて…。 あれ、これでは思う壺ですね。
Ken Kikuchi
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