HNN <ハリネズミねっとわーく>

2008年04月20日

アナタ、鍵のない社会ってどうお考えになりますか? 泥棒、空き巣、強盗、他人のものは自分のものというような輩が、政治家、役人、資本家を筆頭にうじゃうじゃいるこの世の中で、そんな考えを持つということは馬鹿の骨頂であるのかもしれません。でもワタシ、鍵のない社会に憧れるんです。


ワタシ、普段の生活で玄関、スタジオ、車、ブース、ファイル棚と鍵を5つ使っております。それにたまに使う鍵を含めますと13にものぼります。これでも最近少し減った方でして、ちょっと前まではこれに5つばかし多めでした。


もっともここに数えたものは全て本当に手にしている鍵でありまして、バーチャル的なものも含めますと、コンピュータへのセキュリティー・アクセスに使うものとして8つ。インターネット・アクセス用が2つ。そしてインターネット上の鍵がもっとも多く、銀行関係が2つ。ウェブサイト関係が5つ。イーメイル関係が6つ。サブスクリプション関係がざっとあげただけでも30は下りません。


こうやっていざ書き出してみると、70を超えるこれらの鍵たちが、ワタシの頭、目、口、鼻、耳、首、四肢、生殖器、肉体、肛門と至る所に絶えず突き刺さり、好き勝手に開閉作業を行っているようで、それを思い浮かべるとワタシ、何となく目眩がしてくるようです。


ワタシ最近思うんです。鍵をかけなくても気兼ねすることなく暮らせて行けたら、どれほど幸せになれるのだろうかと。ワタシの小さい頃は、それに田舎でしたから、普段昼間は家に鍵がかかっておらず、出入りは自由で鍵は持ったことがありませんでした。鍵がかかっていても裏に回ると何処かが開いていたりなんかしたものです。自転車にすら付いてはいませんでしたよ。高校生になって初めて鍵を持った時には、少し大人になった気がしたものです。


ワタシ、キャンプが好きでね。たまにテント担いで旅行に出るんです。その間、家の鍵は鞄の一番奥にしまってね、大自然の中で鍵のない気ままなテント暮らしを満喫するんですよ。しかしながらね、どこでも安心しきれる所というのは少ないものです。何かが襲って来るのではないか。テントを残したままハイキングに出ると、誰かがテントを荒らすのではないかなどと心配したりしてね。頭にそういった考えがこびりついてしまっているのが、悲しかったりもします。


ワタシ、数年前に北欧を旅行したのですが、その時にすごく驚かされたことがありました。友人達に北欧のキャンプ事情を尋ねたときのことです。北欧ではいくら私有地であっても、そこを歩いて横切ることが出来る権利がアナタにはあるというのです。知人宅の住所を間違えて尋ねただけで不法侵入扱いされ、撃ち殺されても当然といったような国とは偉い違いがあるものです。しかも民家から150メートル離れてさえいれば、どこにテントを張ってキャンプしても良いというのです。これには正直驚かされました。これは数人の友人に聞いて確かめたので多分間違いないことでしょう。


ワタシ、北欧という国々をそれまでほとんど知らなかったのですが、それを聞いて以来、そして実際に北欧の豊かな自然の中をキャンプ巡りしてからは、好きにならずにはいられませんでした。見ず知らずの他人に対しての寛容さ。これを素晴らしいと感じるのは、私だけでしょうか。こういった寛容さに出会う時、ワタシ、なぜか自由を感じることが出来ます。


因にワタシの友人の一人はオーストラリア人なのですが、フィンランド人の彼女とフィンランドで暮らしております。彼は彼女がフィンランド人だというだけで、フィンランドに住んでも良いという権利が認められ、大学にただで通い、病気をしても無料で治療してもらえるということでした。


税金が、特に贅沢品には高くて、ビールが好きなワタシにとっては少し辛いこともありましたが、それでこの豊かさが買えるのなら安いものだと一人納得してしまいました。税金が人々のためにうまく使われているのが実感できると、税金が多少高くてもさほど気にならないものなのでしょうか。福祉がしっかりしていると、人は寛大になれるのかもしれません。


ワタシ、最近特に幼少の頃感じていた自由というものが恋しくてたまらなくなることがあります。幼少の頃の自由さが懐かしく感じられるのは、鍵というものに縛られていなかったワタシであったのかもしれません。



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