HNN <ハリネズミねっとわーく>

2008年06月20日

水だけで走る車の真偽は?

『水だけ走る車が開発されたというニュース』がネットでちょっとした話題になっているのをご存知でしょうか?先週、GIGAZINEで紹介されていたのでご存知のかたもいらっしゃるかもしれません。


まだこのニュースを知らないという方向けに簡単にご紹介させていただきますと、このウソかホントかよくわからない機械を開発したというのがジェネパックスという会社。ウォーターエネルギーシステムと名付けられたこの機械は、外部からエネルギーを投入することなく、水から水素を発生させ、その水素で発電し車を走らせるという触れ込みと共に先週、そのデモンストレーションが行われました。 (こちらのソース記事を参照のこと) 



もしもこれがホントならすごいのですが、いったい外部からエネルギーを投入せずにどうやって水素を発生させるのか?永久機関もどきのインチキ臭さも免れないのが正直なところ。そこでウォーターエネルギーシステムなる発電装置の真偽についてリサーチしてみました。


公式サイトを覗いてみるとそのメカニズムとして水に”化学反応 ”を起こさせ、水素と酸素に分離させるとのこと。しかしながら、その肝心の化学反応が具体的にナンなのかが解説されていませんでした。ますます怪しくなってきます。。これはいわゆる投資詐欺みたいなものだったのでしょうか。。。


しばらくネットで調べていると、話題を呼んでいたこともあってか、そのジェネパックスが水素生成のメカニズムを発表したようです(こちらの記事)。nikkei BPnetによると『燃料極側で金属または金属化合物と水を化学反応させて水素を取り出している。』とのこと。


どうやらナトリウムを水に入れると水と反応して水素を発生させながら水酸化ナトリウムになる、あるいはマグネシウムを温水にいれると水素を発生させるといったの反応と似た方法により水素を発生させているようです。


確かに、この反応を利用すれば電気分解を使わずに水素を発生させることができるので、水だけで走るという能書きそれ自体はウソではなさそうです。


ただしここで疑問なのは、上記の反応に基づくとすればその触媒に使われた金属は反応が進むとやがて使えなくなるわけですが、その度に新しく金属を追加しなけれならないということになります。走行のたびに水と触媒金属を追加しなければならないとなると、厳密な意味で水だけで走るとは言えませんし、触媒金属の購入と追加の手間もけっこうかかりそうです。(あるいは発電パックごと交換するという方式になるのでしょうか?どちらにしても面倒そうです。。)これらの点について今後の発表で明らかになることを期待します。


確かに情報があまり明らかにされてないこともあり、不明な点が多いのは事実ですが、ただ今回の発電機とは別に、金属と水を反応させ水素を発生させることによりエネルギーとして利用しようという研究がまじめになされているのも事実です。


その代表的な研究として例えば東工大の矢部教授が研究してるマグネシウムによるエネルギー貯蔵と太陽光励起レーザーを組み合わせた水素エネルギーシステムがあげられます。(こちら


先の車における発電システムとどのように違うのかということですが、矢部教授の研究の場合は、この反応過程で使用済みのマグネシウムに太陽光を変換して生成した強力なレーザー光により、酸化したマグネシウムを分離することでマグネシウムを何回でも触媒として使えるサイクルを構築しているところにあります。


このように水素を生成コストが十分にペイするような技術の開発が進めば、将来のエネルギー源として極めて有望であると言えます。今後の研究開発に期待したいところです。


担当者
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masao


 
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